風の悪魔と腐女神

□袋閉じに期待する気持ちでいってみよう!!
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あぁ、小太郎で不充分なわけじゃないけど、やっぱり憧れの白馬に乗った王子さまが助けに来るとか、急に時をかける新幹線?がでてきて「僕に釣られてみる?」的なことをせめて聞きたいとか、全く持って欲望はつきないよ、ふ。
って軽く、松永さん風になっちゃったし。
もう最後の抵抗で一言。

『誰かたすけてくださぁぁぁぁい!!』
「(何でわかんないかな?あんたは黙って俺のもの)」

そんなときだった!!

「白」


と小十郎に呼ばれて、障子が斜めに切れたのは。

『えっ!?』
「!!」

障子を切った向こう側に立っていたのは、運命の王子さまでもなく、全身が水色な彼でもなく、893な極殺小十郎でした。

『ごっごっごっごくぅぅぅさぁぁぁつぅぅぅ!!
ヤクザがぁぁぁ!!』

SOSを出したはずなのに、さらにピンチになったような気がするのだけど。
え?この時のこの人って見方と敵の見分けつくんだよね?
とりあえず

『助かったぁ』
「おい、憲兵、そいつから離れろ」

あぁ、もうビリビリです、すごいことになってるよ、これ。小太郎が武器を構える。
あれ?もしかしてここで戦うのか?

『ちょっ、待って』
「?」
「なんだ白」

怪訝そうな顔でみてくる小十郎。
私は、二人の殺気に気絶しかけながらも、必死に言葉を次ぐ。

『戦うのはやめろよ、小太郎、すぐに金は出せねぇけど俺が雇うよ、小十郎さんも松永のおっさん倒したんだろう?ならもういいじゃねぇか』
「お前なんで知って!!」
「(体でいいよ、体で)」

小十郎は知ってたことにびっくりしてるけど、みりゃ何となくわかる、みたいな風に行ったら、納得してくれた。

『つか何どさくさに紛れて、口走ってくれてんだよ小太郎!!』
「(金なんかより、あんたが欲しいから、体で払え)」
『おぉぉぉまぁぁぁえぇぇぇなぁぁぁ!!』
「(会話が成立してる………)白、本当にそいつを雇うのか


小十郎は眉間にシワを寄せながら聞いてきた。
そらぁ、まぁ、ねぇ?
伝説の忍ですから。

『雇うよ。
なぁ小太郎!!って脱がすなぁ貴様!!』
「チッ」
「(舌打ち!!)そうか、俺は奥州に戻るがお前はどうする?」

『えぇー、小太郎、ここから甲斐に戻るまで何日かかる?』
「(一泊二日)」
『何処で一泊するんだ己は!!』

小十郎はめちゃくちゃ呆れた感じ私をみる。

『二日くらいで帰れるみたい』
「そうか、じゃぁな、気を付けて戻れよ」
『おぅ♪小太郎』
「(はいはい)」

白と小太郎は風と共に消えたあと、小十郎の言った言葉を知るはずもなかった。

「邪魔な野郎が、また一人増えたな」
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