風の悪魔と腐女神

□こんな再会ありですか?
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白は夢を見ていた。
フワフワと心地のいい、少し風の切る音が聞こえ、外気にさらされたような感覚。
でも、それは気付いたら一瞬で、目を開けようとしたけど、睡魔に襲われて開けられなかった。
ただわかったことは、白の頬を愛おしむように撫でた指先がやけに冷たかったわりには、触れ方があまりにも優しかった事だけだった。



ある日♪
夢の中♪
松永が♪
出てくる♪

目の前にいるのは紛れもない、クレヨンシンちゃんでお馴染みの、パパンのヒロシだ。
ただ声は低く、顔は渋くダンディーなおじ様な顔を除けばのはなしだ。(つまり声だけが)

『はははは、これは夢だよね、そうだといってよ、ジョー』
「すまないが私の名は、松永と言うのだよ」
『そうですか、あ、わたくし白と申します。
いやなんかすいませんお邪魔しちゃて、とりあえずまだ夢だと思いたいので二度寝の許可を下さい』
『卿は人身花火は好きかね?」
『それは軽い死の宣告と、とっていいですか?』

何なんだこの人なぜ私をつれてきた?
なんかチョイスを間違えてるぞ、あんたがお持ち帰りするのは、慶次か小十郎だろ。

しかもあんまり丁寧に話すから、外回りに行ったサラリーマンの挨拶みたいになっちまったじゃねぇか。

と気がついたけど、ふわふわだと思っていたのは、布団のようだ。
まて、そしたら風を切るような音はどう説明がつきようか?
松永の質問によって、また現実に戻される。


「卿は何が欲しいかね?」
『なんか急に聞かれると困ります、誰もが直ぐに返答できるだなんて思わないで下さいね、とりあえず萌を下さい』
「私には分かりかねる」
『そうでしょうね』
「卿は欲しいものはないのかね?」
『欲しいもの?ですか?』
「あぁ、そうだ」

目の前の男は、口端をニィとあげて聞いてくる。
何なんだろうこの人、本当によくわからない。
ゲームをやっていたときも思ってた。
どんな夢小説を見ても、よく理解できなかった。
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