01/18の日記

17:13
なめしと仕上げ(2)
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●革の仕上げ方法
大きく分けると、革に艶ありか艶なしか、厚塗りか、素仕上げかなどがその代表となります。


≪素仕上げ革≫
ほとんど仕上げ剤を使わず、フェルトバッフィングなどで艶を出したものです。


≪アニリン仕上げ革≫
革本来の繊細な銀面模様の特徴が出るように、顔料を含まない鮮明なアニリン染料と、透明感のあるタンパク系の仕上剤(バインダー)で仕上げたものです。表面がきめ細やかでソフトな感触を保ちより革らしい味を持たせることが出来、傷の少ない仔牛、仔山羊の革などを使用した物が多いです。シミや水分に弱いことが弱点です。セミアニリン革もあります。


≪顔料仕上げ革(塗装仕上げ)≫
顔料を主に使用し、染色した革に不溶性の着色剤で塗装して仕上げる方法です。銀面の傷を隠し、均質な着色ができるため、広く用いられています。グレージング仕上げと区別するため塗装仕上げと呼ばれます。



≪グレージング仕上げ革≫
革の銀面に平滑性と光沢を与えるために、めのう、ガラス玉、金属等のローラーによって強い圧力を加えながら摩擦で仕上げる方法です。グレージングにしぼ(シワ)付けを行ったのがボックス仕上げです。


≪アンティック仕上げ革≫
不規則なむら模様などを付けて古代の印象を与える色調に仕上げた革です。ツートン仕上げやアドバンティックなどがあります。


≪メタリック仕上げ革≫
表面を金属のような輝きを持つように仕上げた革です。


≪カバーリング≫
革の風合いを楽しむことよりも、キズが付いたり濡れたりすることによる変質・変形防止を重視した仕上げ方法です。革製品をいい状態のまま使い続けたい人には、おすすめです。また、革の表情に変化をつけることもできます。


≪防水加工≫
製品にする前に防水加工を施したものもありますし、後から防水処理をする方法もあり、いくつかのやり方があります。
1つめは製品ができてからエアスプレー等を使って防水剤を吹きかける方法です。 簡単ですが表面のみの処理なので防水効果は期待できません。
2つめは製品ができてから防水剤につけ込んで良く浸透させてから乾燥させる方法です。
3つめは原革の状態のときに防水剤を染み込ませる方法です。
2つめと3つめの方法はコストはかかりますが、その効果も長持ちします。
≪撥水加工革≫
クロム剤を使用せず、天然のタンニンで染めたソフトレザーに防水機能と撥水機能を持たせた革の事を言います。最近では、エコレザーと言い環境や人に優しいということで非常に脚光を浴びています。技術としては日本が最先端だそうです。


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17:12
なめしと仕上げ(1)
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だんだんとお財布から離れていっているような感じですね。革のことを調べ始めたらきりがなくなってきました。これ以上革のことを題材にしていると終わらなくなってしまうので、ひとまずはここまでにしておきます。また、気になることが出てきたら書いていきますね。

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●鞣(なめし)方の種類
「鞣す(なめす)」とは、動物から剥いだままの「皮」と言う状態から、毛を取り除き防腐処理をしたりして加工し、鞄や靴などの製品として使えるような「革」の状態にする加工工程のことを言います。この加工をすることによって腐ることは勿論、乾燥してニカワになることも防ぐことが出来ます。


≪クロームなめし≫
合成剤(硫酸クロム、重クロム酸ナトリウム、カリウム塩、クローム塩など)を用いた科学的製法によるなめし方で、鞄製品の約8割はこの方法でなめされています。ソフトな風合いで表面に青みがかった深い光沢があり、柔軟性、伸縮性に富み、摩擦にも強く耐久性、耐水性があります。しかし、水には弱く濡れてしまうと乾燥が遅いと言う欠点があります。


≪タンニンなめし(渋なめし)≫
天然の植物や樹木の渋を抽出した天然剤を利用した製法で、手間はかかりますがより自然な風合いが楽しめ、使い込むほどに独特の色に変化したり革が柔らかくなるという性質を持っています。濡れても乾燥がはやく、伸びにくいのが利点で、吸水性が良いので染料も良く染み込みます。オーク、チェスナット等を使った植物なめしの一種でなめした革は黄褐色をしていて、ベジタブルタンニングとも呼ばれています。
≪混合(複合)なめし≫
2種類以上のなめし剤の特徴を生かし用途毎になめしたもので、クロームなめしした後タンニンなめしをしたものを『コンビなめし』、逆にタンニンなめしの後にクロームなめしすることを『逆コンビ』と言います。それぞれの長所をいかした革を作ることができ、コンビなめしの代表例には野球のグローブ用のグローブレザーがあります。


≪油なめし≫
動物の油脂で革をなめす方法で、耐水性に優れています。セーム革がこれにあたり洗濯も出来ます。

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