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268件のレスが見つかりました
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投稿者 親記事
[記事No.326462]短編小説

まなか
ID:[shiroikotori]
PC
投稿日時:04/03 19:27

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 ま、間違って短編小説スレッドを削除してしまいました……!!
 本当に本当に申し訳ない。消してしまった作品の作者様にお詫び申し上げます。

 また作りますので、また投稿していただけると嬉しいです。すみませんでした。

 一つのレスに収まる長さの短編小説を書きましょう。
 投稿は何度でも大歓迎です。連続投稿も可能。気が向いた時に参加してください。
 スレ主も頻繁に出現します。

投稿者 スレッド
[記事No.444631]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:04/02 11:59

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記事No.326462への返信

ただいま、と声をかけると、振り向かずにお帰りなさい、と返された。
油のはぜる音とともに、香ばしい匂いが漂ってきた。
今日は揚げ物か。
上着をハンガーにかけ、ネクタイを緩めながら台所に向かう。
薄桃色のエプロンを着けた小さな背中が、忙しそうに動き回っている。
手持ち無沙汰で特にすることもない。
動き回る背中を観察することにした。
ダークブラウンの髪が揺れ、たまに童顔の横顔がちらりと見える。
黙って見つめていると、不意に目があった。

「…なに見てるの」
「別に、なんとなく」
「ふぅん…そう」

興味なさげに言うと、再び忙しなく動きはじめる。
捲った袖からのぞく、白く細い腕を見ていると、不意に郷愁に近い感情が沸き上がってきた。
何故かはわからなかった。
向こうをむいている背中に近寄り、後ろからそっと抱きしめる。
一瞬動きが止まるが、すぐに何もなかったかのように動きはじめる。

「…何してるの、」
「いや…なんとなく」
「さっきもなんとなくって言ってた」
「そうだっけ」
「そうよ」

嫌がるような素振りは見せなかったので、構わずにべったりとくっついていた。
多少動きづらそうだったが、好きにさせてくれた。

「…なぁ」
「…何よ」
「愛してる」
「は…?」
「愛してるよ」
「………」

抱きしめたまま、囁いてみる。
簡単だろうと思っていたが、口に出すと案外恥ずかしい。
反応がないので、腕の中の小さな嫁を見てみると、はっきりとわかるほどに、耳が赤くなっていた。




−−−−−−−
結局何が言いたいんだろう
わけのわからない物を書いてしまったorz
お目汚しスマソm(__)m
[記事No.444120]Re:短編小説

アリア
ID:[aria484]
PC
投稿日時:03/29 14:33

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記事No.326462への返信

人生なんてあっけないもんだ。人差し指一本で人殺しができる時代になったのだから。

今日もぼくは何百キロも離れた土地にいる人を殺してお金をもらう。別にすきでやってるんじゃない。それがぼくの仕事なんだ。

規則正しい機械音、上司の指示、発射されるミサイルの音が僕の鼓膜を絶え間なく刺激する。少し頭がくらくらしたので、ヘッドホンを外した。さっきまでの爆音は、嘘のようになくなった。

床を蹴ってモニターに背を向け、一度指先で目頭を押さえてから立ち上がる。隣に座っていた同僚が不思議そうな顔でぼくを見上げたので、便所さ、と言うと納得したようにまたモニターと向き合った。

時々、わからなくなる。

これがぼくの日常で、現実。画面の向こうで起こっていることも、また現実。ぼくはどこの誰かも知らない人間の人生を奪い、生活している。

家庭をもっていたかもしれない。どこかの1人息子だったかもしれない。恋人と会う約束があったかもしれない。犬に餌をやらなくちゃいけなかったかもしれない。愛されていた人かもしれない。才能ある人だったかもしれない。

でもそんなこと、わからない。
わかったところで、ぼくはそいつを殺す以外何もすることはできないのだ。

「あの、大丈夫ですか?」

突然肩を叩かれ、驚いて振り返ると、同じ会社の制服を着た女がいた。

「顔が真っ青ですよ、それに、すごい汗」

心配そうな顔で僕の顔を覗き込む。大丈夫だと言おうとしたとたん、猛烈な吐き気に襲われ、トイレに駆け込んだ。

ぼくは、いきてる。人差し指一本で人の命を奪っていきてる。安全な室内で無人機を操縦し、画面を通して戦争をしている。毎月たくさんお金をもらって、妻を養い、子を養い、両親を養っている。不景気な時代なのに、なんの苦労もない、幸せな家庭だ。

家に帰れば、子供たちがわっと駆け寄ってぼくを抱きしめる。お父さんお仕事お疲れ様って、無邪気に笑って。テレビに映る悲惨な戦地の様子を見ながら、ぼくは明日もいきるために妻の作った飯をつめこむ。

ぼくは、幸せだ。幸せでなきゃいけない。

でも、涙は止まらなかった。きっと幸せすぎるせいだろう。


***
戦争は、終わらないのでしょうか。これは、進化なのでしょうか。
[記事No.441947]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:03/15 22:03

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記事No.326462への返信
『』

届かない手に泣きそうになって
絶対に『在りうる』ことのない『在りえない』存在に彼は幾度となく夢を見た
彼は言う

「いるよ、いる
在るんだよ」

無いのにひたすらに

「探せばいる」

人混みを掻き分けたって在りもしない影を遠く目を細めて

「あいつらは、いるよ」

所詮"ソレ"漫画家の頭の中の産物で
人が辛いと感じたときの逃げ道であって
その逃げ道は本当には存在しない

無いとわかったアンタは道を引き戻す
わからなかったアンタはそのまんま、ない影探してさ迷う

辿り着く先なんてわかりゃしない
誰も帰ってこなかったんだから

「いるよ」

『いないよ。』

わかってるくせに
呟いてる言葉は何故?


―‐― ―
――――――――――
え、何コレ
多分…
辛い→現実逃避(アニメとか)→逃げたまんま現実に帰ってこない
……救いの道の消失の件についてッ!!!(挙手
[記事No.438112]Re:短編小説

夏子
ID:[578511b]
TS3R
投稿日時:01/31 07:31

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記事No.326462への返信
私は私が嫌い。

「好きだよ!」

そして私のことを好きだという君が嫌い。

「すき?私を?」
「うん!」
「なんで」
「なんでって何で!好きに理由なんてないよ!」
「…」
「いや、挙げようと思えばいくらでも言えるけどね」
「うざ」
「なんで!?」

きもいうざいで会話終了。日本語って簡単だ。

「私はあんたのことなんて好きじゃないよ」
「じゃあ嫌い?」
「…」
「嫌いっていったら出て行く。もう二度と来ない」
「…きらい」
「うそうそ。さっきの撤回」
「…」
「え、ほんときらい?マジで?」
「…しらん」
「いやよいやよもスキのうち?」
「知らん!」

私は私が嫌い。
そして私のことを好きだという君が嫌い。
堂々巡り。
君のことを嫌いになりきれない私を、私はいつか好きになれるのかな。
私が自分を好きになれたら、君のことも好きになれるのかな。
堂々巡り。
[記事No.438086]Re:短編小説


ID:[gintama0529]
PC
投稿日時:01/30 19:00

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記事No.326462への返信

ねえ、消えて欲しいの。

彼女はとても綺麗な笑みで、そう僕に向かって言い放った。

多分今までで一番綺麗な笑みだろう。
こんな笑みを僕に見せたことは一度もなかった。
だって彼女はずっと僕ではない違う人に恋していたのだから。

少しそれは羨ましかったけれど、僕はそもそも人ではないから。
彼女が僕のことを意識するということ自体不可能だろう。

ねえ、消えてよ!
もう私の中から消えて!!

僕が無言でいると彼女は軽くヒステリックを起こしたように叫んだ。

彼女はいつも静かで、騒ぐとか賑やかなんて形容詞が似合わない人だったのに。
一体どうしたんだろうか。

こんな風に彼女がヒステリックに似たようなものを起こすなんて。

彼に嫌われたのだろうか。
でもどうして僕に怒るのだろう。

僕は彼とは全くの無関係だ。
彼と関わったことなんて、一度もない。
じゃあ今は感情が不安定な時期なのだろうか。

お願い・・・。
もう私は彼のことを想っていたくないの。
だから、消えてよ・・・・・・。

泣きそうな声で、いやもう泣いているか。
彼女は地面に崩れ落ちた。

ああ、そうか。
彼女は僕に消えて欲しいのか。

“彼女が彼を好きな感情”という存在の僕に。

それじゃあ、さよなら。
またきっと彼女に会うことはないと思うけれど。

さよなら。



そう呟いた瞬間に、彼女の心からとある感情が消え去った。

それはとてもとても、大切な感情だったはずなのに。
彼女は後悔しないのだろうか。
僕にはもうそれを理解する術はないのだけれど。

__________

失恋してしまった少女が、
彼のことを忘れるために彼を想う感情(僕)を消したお話。

書いている自分ですら意味が分からないという、残念な結果に。

読んでくださって、ありがとうございました。
[記事No.436937]Re:短編小説


ID:[next1]
W62S
投稿日時:01/16 14:25

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記事No.326462への返信


 頭のおかしな友達に相談があると言って家に呼び出された。

「テレビを消したら、気持ち悪い女がうつるの」
「どんな?」
「目がでかくて、隈があって、髪の毛がボサボサで…取りあえず気持ち悪い女なの」
「今もいるの?」
「あ、ほら…そこに」

 そう言って彼女がテレビを指差した。そこには黒しかない。

「いないよ」
「いるじゃない…」

 いる、らしい。まじまじと近くでテレビとにらめっこすると、一つの可能性が思いついた。

「鏡見たことないの?」

 彼女は隈のかかった大きな目をぱちくり動かし、ボサボサの髪が揺らし首を傾げた。


>>>>
テレビって自分の顔がうつるよねって話
[記事No.436761]Re:短編小説

青葉ひより
ID:[aiueo0000000]
SN3G
投稿日時:01/15 02:51

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記事No.326462への返信

【青春ブルース】

昔懐かし、春。
遥か彼方に見上げた青空はブルーブルー、ぶるぶると震えるくらい気分が悪そうで、意地でも地上に涙を流すまいと必死に頑張ってる様子だった。

…あーあ。

もちろん貴方が泣いた後、必ずしも虹が出るという訳ではないのだから、出来る限り我慢しなさいなんて言うつもりはないけれど、そんな無理しなくてもいいのに。

見ているこっちが不安で疲れちゃうよ、とわざとらしい微笑みを投げ掛けてみても、聞こえないフリをしてるのか一向に変わる気配は無く。

私達に暑さ暖かさを与えてくれる存在は太陽であって「空」そのものではないのだと、その時初めて実感したのだった。

と同時に、ただただ私に向かって一方的に温かさをくれる存在、いわば自称無償奉仕精神事業…あ、早口言葉?…に無性にやるせない気持ちになったけれど、所詮は一時の感傷、揺らめきに過ぎないので深く考えず軽く受け流す事にしよう。


「ねぇ、知ってる?傘かさカサカサ…傘刺さらないと…じゃなかった、ささないと唐笠お化けが出るんだって」

「ふーん…」

…どこに?

「それでね、メリーさんみたいに、だんだんこっちに近づいてくるんだって」

「ふーん…」

…どこから?

「それから口裂け女みたいにね、私の折りたたみ傘、綺麗?って聞いてくるんだって」

「ふーん…」

…どうやって?

「あ、それからねぇ…えっと…えーっと…。ねぇねぇ、ちょっと!聞いてる?」

「…………」



……思い出の風化、か。



なんだか無性にやるせない気持ちになったけれど、所詮は一時の揺らめき、個人的な感傷に過ぎないのだから深く考えず、軽く受け流す事にしよう。
[記事No.436741]Re:短編小説

荻萩
ID:[nukui4]
PC
投稿日時:01/14 22:11

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記事No.326462への返信
 壊れかれた町の、壊れかけた人の、壊れかけた物語。

 夕暮れの中ただ一人道を歩みながら、彼はぼんやりと考えた。

 もしも世の中が一つ一つの欠片から成り立っているならば、僕はその一ピースになるのだろうか。
 でも世界は無限に広がる景色。無限に広がりながら無限に収縮していく景色。その中の一つのピースであっても、僕はきっと何の存在意義も持たないだろう。

 そう考えて、彼は目を瞑る。
 網膜の裏側に広がる景色。
 色とりどりの景色。
 そしてバラバラと崩れ落ちる。


 ばらばらと。
 ばらばらと。
[記事No.436179]Re:短編小説

夏穂
ID:[yoru471]
PC
投稿日時:01/08 19:49

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記事No.326462への返信

二回目です。

〜〜〜〜


壊れた。


ヒステリックに笑う母親を見て、幼いながらに思う。

壊れてしまった。
家庭も。
母親も。

世界も。


アルコールに侵された母親は、もう限界で。
俺は寧ろ、限界が訪れるのを待っていた。

この人の限界がくれば、何もかも終わる。それを知っていた。

早く終わればいい。

そうすれば、この狂った母親とも離れられる。
そうすれば、脳を浸食するようなアルコールの臭いも忘れられる。

ガキの俺は、ただただ終わりを待っていた。


悲しみも苦しみも。
怒りも、憎しみも。

愛も…、温もりも…。

何もかも忘れて。
ただ。


信じる終わりだけを求めて。



〜〜〜〜
はい、gdgdです。

一応、これは大分前に作っていて、オリジナル小説に、これを元に作ったキャラが居たりします((笑
最初のこの小説は、一人称はあたしだったんですけどねー←
でわ、スペースお借りしました(^▽^)〃
[記事No.436140]Re:短編小説

日向
ID:[578511b]
TS3R
投稿日時:01/08 09:17

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記事No.326462への返信

「先輩の、す、好きなタイプってどんな人っすか」

放課後。部室。二人きり。
私は知ってる。この3女に人気の新入生が私を好きだということを。

「年上の人」

嘘だけど。
後輩君は知ってる。私が彼の気持ちに気づいて尚、彼に興味がないことを。

ああほんと。入学当初から子犬のように懐いてくれた彼を私は私なりに気に入っていたのに。残念。
君はかわいい後輩だから思わせぶりな態度は取らないよ。そんな私は優しい先輩。

「うそ!こないだ準と腕くんで帰ってんの見たんス!」
「(マジでか…)
や、まぁ準太はタイプってわけじゃないし」
「安田とキスしてたのは?」
「(そっちもか!)
タイプじゃないよ。あー…気分?」
「なんスかそれ」

そうその時はそういう気分だっただけのこと。そういう気分でホテルまでいっちゃっただけのこと。私は男癖が悪い。どうしようもない、自分でも思う。こんな女はやめておけ。

「俺じゃダメですか」
「うん」
「なんで!」
「……年下だから」

エンドレスループ。
この問答も何度目よ。終わりがない上に報われないって早く気づけばか。

「先輩、俺諦めませんから!」
「……………勝手にすれば」

だからね。もうお願い。
入学当初から私を好いてくれてる君が私は、気に入ってたんだよ。ずっと。
私が断ってるうちに。早く。
はやく私を嫌いになって。
[記事No.435152]Re:短編小説

ニワトリ
ID:[niwatori0519]
SH3J
投稿日時:12/29 04:11

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記事No.326462への返信
 テレビからはつまらないニュースがひっきりなしに流れている。子守唄にもならないそれに身勝手な苛立ちを覚えながら、僕は布団にくるまり床に転がっている。チャンネルを代える気にはなれず、虚ろな頭の片隅でニュースキャスターの操る言語を聞き流す。今日もどこかで誰かが泣いて、喜んで、怒って、そして死んだ。当たり前の事象を日々流しながら、人間は今を生きている。そんな当たり前の事を、僕は今さらになって思い出していた。
 誰もが素敵な明日を夢見ている。どうでもいいよと嘯きながら、心の底では安全と幸福を願っている。僕もその一人で、暖かな部屋でブラウン管越しにぼんやりと死を観賞。僕は他人の死を悼まない。僕自身に痛みは伴わないから。
 明日になれば、僕は今夜より少しはまともになれているだろうか。眠れない夜に思い付く事は、いつでも酷く滑稽だ。何の利益もないんだから。
[記事No.435008]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:12/27 17:10

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記事No.326462への返信
話している彼女を見ていると胸が痛くなった。

「それでさぁ〜『いじめられてる』ってお父さんに言ったらなんて返ってきたと思う?
『自分の子供が苛めにあってるだなんて恥でしかない』だって!もう爆笑モンよぉ〜!!」

ツクリと胸が痛んで顔が歪む。それと一緒に彼女も笑うのをやめて「じゃーね、」と背を向けて去ってしまうのだ。
何でと聞くと彼女は笑いも怒りもせずに無表情で答えてくれた。

「だって今
私のこと嫌な目でみたもの、嫌われてまでいたくない」

とても弱い彼女だから、ブロークンハートしてしまったガラスのように、散々になった破片を集めて俺は重ねて行く。

カラ…カラン…

少し揺らせば彼女は崩れてしまう。
だから俺が受け止める。

「貴女の話は俺には痛い」

「馬鹿にしてるの?」

「一緒に痛がれば貴女と俺とで痛みは半分
もう貴女は傷付かなくていい」

だから裏で泣いて表で笑ってなんて、辛い話はしないでください。
そう言った俺に彼女は笑って

「ありがとう
ずっと一緒にいるね」

幸せの言葉をくれました。
[記事No.434992]Re:短編小説

火星人
 8tBgyKlY
ID:[gintama9524]
re
投稿日時:12/27 15:55

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記事No.326462への返信
「綺麗だねぇ先生」

「そうだな」

「全部オレンジ」

「お前も髪真オレンジじゃん」

「せめて茶ッ毛って言おうか
だからコレ地毛だから」

何回生徒指導室行きになった?と先生に聞かれ、生徒は「ん゛〜…」と唸りながら指折り数えていく。

「ざっと40」

「三年間で?」

「違う、高校三年生一年の内で40回」

洒落にならん数が飛び出てきて、先生の方は一瞬くらりと目眩さえした。
自分の受け持った生徒だ。しかも何の運命か1、2、3、とずっと。

「そうかー……40…40……」

「まぁまぁそんなに落ち込まないの」

「他人事だな己の事なのに」

「終わったことだし
それに、生徒指導される度に先生助けてくれたじゃん」

最初に見たときはこの先生もこの生徒は『染めている』と断定したものだったがいざ触るなりしてみれば傷んでもおらず、明るい茶ッ毛、地毛そのものだった。

「そりゃあ無罪の生徒を咎めはしねぇよ俺ぁ」

「無罪の自分の生徒に廊下で跳び蹴りかましてたの誰だっけ」

「ああそれ俺」

「すんなり認めんなよ!!」

屋上から見る夕焼。
そよぐ風。
全ては今日までの思い出だ。
胸にある『3-A』と書かれたピンバッジを外してポケットに突っ込んだ。

「じゃ、帰るね」

「おー、精々引かれて帰れ」

「何それ死の呪文?」

「そう、死の呪文」

ニカリと笑われて笑い返す。
アンタのためなんかに死んでやるもんか、と。

「ばいばい先生
アンタは此処から出られないけど俺達は此処に帰ってこない
いい加減に消えてなくなりな」

「やだね、あとはお前だけなんだから」

――――数ヵ月前、学校、強盗3-A侵入、職員生徒に発泡、3-A担任死亡、生徒数名死亡、過半数軽傷。

「アンタが何人もそっちに引き摺るからA組だけで卒業式やったら10分持たない数になっちゃったじゃん」

「何人?」

「6人」

「寂しッ!!」

「笑うな悪霊」

そう言いながら二人は笑う。周りから見たら一人だろう。

「じゃあね、先生
ありがとう、さよなら」

笑い涙を指で拭いながら生徒は屋上を出る扉を開けて、そこから下へと繋がる階段を降りて行く。
一人ごちながら。

「先生変わんないなぁ〜…まぁ質悪い悪霊だけ―‐――‐、」

ズルッ ガッ

ガツンッ!!


「あらら…死の呪文下手に効いちまったな」

卒業式。
一人の生徒が階段に足を滑らせた。
[記事No.434932]先輩

葬亞
ID:[lavehibari]
KC3X
投稿日時:12/27 05:00

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記事No.326462への返信

「別に良いっすけど」
3人でテーマパークへ遊びに行ったとき、友人はそう言い放った。
表情は頗る笑顔だったが、声音から心情がひしひしと伝わってくる。
「俺、先輩が職質受けたら他人のフリするんで」
何故なら、僕もまた同じ気持ちであったからだ。

先輩は部活の先輩である。
今時珍しい丸刈りにスポーツマンが羨むような立派な腕を恐ろしく繊細な動作でもって操り、フルートを吹くのだ。
僕は先輩が大好きだ。尊敬している。
親の反対を押し切って吹奏楽の名門校に入学した僕にとって、彼は憧れそのものだ。
ちょっと文化系には見えないが、見た目とのギャップなど些細な問題でしかない。
それはわかっている。のだけど。
「何やねん、俺に不満でも有るんか」
「有りまくりっす、主に服装方面で」
彼は私服がとてつもなくダサかった。
好みは虹色、蛍光色。カントリー風のワッペンにスタッズを合わせる折衷ぶりは流石にいただけない。
先輩が助け舟を求めるように僕を見た。
僕は首を振る。
すると先輩は困ったように笑うのだ。

次の週の部活帰り、先輩といつものように寄り道してから家路に着いた。
一時間後、先輩が家に来た。
忘れ物ですか、と訊いたら、思い詰めた顔を俯かせて、
「家が燃えてしもうた」
と、呟いた。

全焼だった。
家も家具も、家族も。
先輩の何もかもが真っ黒になった。

先輩に親戚は居らず、彼は独りぼっちになってしまった。
僕は先輩が自立できるまで部屋を貸してあげることにした。
一人暮らし用のアパートだったけれど、事情を話すと大家さんは了承してくれた。
先輩は何度も、すまんなぁ、すまんなぁ、と頭を下げた。

先輩の私服から色が消えた。
スーパーで買ってくる安物のTシャツは、全て黒一色だった。
先輩、その服似合ってないです。
もっとカラフルなの着て下さい。
酷い模様の上着羽織って下さい。
「カラフルなんはダサいからな、こっちのがマシやろ」
先輩が僕を見た。あの日とは違う、乾いた目で僕を見た。
僕は首を振る。
先輩は困ったように笑うだけだっだ。
[記事No.434777]Re:短編小説


ID:[ayu1126]
P08A3
投稿日時:12/26 14:56

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記事No.326462への返信

さぁどうしよう。

俺は今、残された聖域−サンクチュアリ−こと、学校のトイレにいる。
右側の一番奥の、ドア付きの個室だ。
要するにアレだ。アレをする所だ。
丁度今、昼休みがあと五分で終わろうとしているところだ。
そろそろ教室に戻らなければ五時限目に間に合わない。
しかし、俺は教室に戻ることができない。
…何故かって?ふ、決まってんだろ…?
男が●●●するための個室から出られずに悶々と悩んでいるなんて、もう理由は一つしか無いだろう!

「紙がねぇ!」

そう、紙が無いのだ!!
困った、一大事だ。
する前に気付けよ俺の馬鹿!と過去の俺を叱責するが虚しいし泣きそうになるのでので止めることにする。

「ちくしょう…ポケットティッシュ持ってくりゃよかった…。」

便座に座り、考える人みたいなポーズで後悔する。
マジで馬鹿じゃねぇの俺。
紙ちゃんと確認しろよ俺。
五時限目は恐怖のまっちゃん(渾名)の現国だぞ馬鹿。
サボったらどんな目に遭うか、一学期に濱田が見せてくれたじゃねぇか…。
(プロレス技を華麗にキメて下さりましたよ、一歩間違えば死人が出るような殺人技をね!)

「あああああ誰でもいいから助けてくれええええええ!!」

泣きそうになりながら叫ぶが、当然ながら誰も来ない。
ヤバイ、マジで泣きそうだ俺。
何もかもを諦めかけ、(トイレの個室で)男泣きしていた俺に、聞き慣れた声が降ってきた。

「嶋田ー?何、お前泣いてんの?」
「!?あ、え、相楽か!?」
「おうよ。愛しの旦那様がトイレの個室で男泣きしてるから、嫁は気になって見に来てやったんだぜ。」
「旦那とか嫁とか気色悪いから止めろよ。」
「まっちゃんに嶋田はサボりでーすって言っとくわ。」
「やめてええええええ!俺死ぬ!死んじゃうから!」

いつも通りのやり取りにほっとする。
とりあえず事情を説明して助けを乞う。

「じゃあ替えの紙投げるどー。」
「おっしゃ来いぃぃぃぃ!」
「気合い入ってんな。じゃあいくぞ?ほーれ。」
「やめてその掛け声!気が抜ける!」

放られたトイレットロールを腕を伸ばしてキャッチする。
ああ久し振りの紙の感触!!
もう「再生紙利用とか固くてヤなんだよ!真新しいパルプ寄越せええええ!」なんて言わないからな!
とりあえずやることやった俺は、ザアァァ…と水を流して個室を出る。

「…あれ、相楽がいねぇ…。」

自分にトイレットロールを与えてくれた救世主がいない。
おかしいな、と首を捻っていると。

−キーンコーンカーンコーン…−

無情にも響き渡るチャイムの音。
親友がいなくなった理由がわかった。

「ほ、本鈴なっちゃった―――ッッ!?」



その日、まっちゃんこと松狩先生(46)は、華麗なるノーザンライトボムをキメたそうだ。



−−−−−−−−−−−

長くてすいません。
な ん だ こ れ orz

ワケわからんものが出来上がってしまった…。
[記事No.434664]Re:短編小説

万里
ID:[notlook4279]
SH3F
投稿日時:12/25 20:05

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記事No.326462への返信


【ゲシュタルト崩壊】





昔から、兄が好きだった。

兄が好きだった。

叶わぬ恋だった。

それでも。

兄が好きだった。

兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。
兄が好きだ。

兄が好きだ。

兄が、……兄?

あの人は“兄”だったか?
“兄”とは何だった?

私はあの人が好きなだけだ。

手に入らない、あの人が。

好きなだけ。

どうして手に入らないんだっけ?

“兄”だから?

“兄”ってなに?

私はあの人が好きなだけよ。

だったら。

何をしたって、構わないでしょう?

私はあの人が好きだ。

手に入らないあの人が好きだ。




殺してしまいたいくらい、好きだ。







【ゲシュタルト崩壊】






------
縦にズルズル長くてすいません(笑)

楽しませていただきました!

失礼します!
[記事No.434648]Re:短編小説

熊内
 4/dQSlO2
ID:[beallright2]
F05A
投稿日時:12/25 15:39

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記事No.326462への返信
【自家撞着】

 デルフォイの神殿に、その人影はあった。後に自分の師の存在を世に知らしめるであろう影だ。男は神殿の中央部で、とっくに枯れた声を張り上げ、泣き続ける。
 未だ若々しい髪を振り乱すように、頭を抱えていた。
「ああ、我が永遠の師よ!」
 男の師は、既に処刑されていた。
 そう、師は、全ての人に身の程を知ってもらい、その上で共に学ぼうと切磋琢磨してきたのだ。それが、事故溺愛的な名ばかりの知者たちに陥れられ、結局は捕まると言うことになってしまった。
 アゴラで語る師はもういない。それを思い、男はその場に崩れ、その瞳に恨みの炎を灯す。 アニュトス、メレトス、リュコン。あの三人がいなければ。
 あの三人が下らないことを吹かなければ。
「よそう」
 男は唐突に泣き止んだ。
 そして立ち上がり、涙を吹く。神殿から出る決意を決めたのだろうか踵を返し、何事もなかったかのように歩き出した。
「師匠は何をしても帰らないのだ」
 私には、彼がしてきたことを残すことしかできないのだろうか。そんな辛辣な疑問が男の胸を過ぎる。だが、良い手でも思いついたか、その足取りが堂々としたものに変わった。
 そして神殿から人影はなくなった。アリストクレスことプラトンの未練を残した場所だ。
 男はいずれ、アリストテレスと言う弟子に、同じ思いを与えるのだろう──『死』──絶対的な掟によって。
 それでもプラトンは、師ソクラテスのために誓った。
「私が、ソクラテスの抱えた謎を解きましょう。そして人々に説きましょう。あの、貴方を殺した愚民共にね!」
 男なりの尊崇と、男なりの復讐だ。








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文才蓄えてから参加すべきだったかもしれませんが楽しかったです^^
軽く歴史ものですが、参考にしてるだけで私のオリジナルです!
お邪魔しました!
※サイトは二次創作
[記事No.434551]204号室のバスルーム

みなみ
ID:[megalomania0]
N904i
投稿日時:12/24 00:55

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記事No.326462への返信
 お風呂に肩まで浸かって、自分の体を見ていると思うことがある。

 私のこの腕を、彼にプレゼントしたら、彼は微笑んでくれるだろうか。ピンク色のリボンが丁寧に巻かれた、切り取られた私の腕を見て、彼は喜んでくれるだろうか。
 彼がはそっと私の切り取られた手と自分の手を合わせ、ゆっくりと指を絡めて、私の冷えた手を温めてくれると、嬉しいな。そうして手を繋いだままで、街中を、そう、カップルが手を繋いで歩くみたいにして歩いてくれるだろうか、一人で。
 私の青白い指に、安い指輪をプレゼントしてくれて、手の甲に小さなキスを落としてくれるだろうか。

 私のこの足を丁寧に切断して、彼に贈りたい。お気に入りのブーツを穿かせて、彼にプレゼントしたら、彼は目を丸くして喜んでくれるかな。私の太腿に頬を擦り付けて、熱い吐息を漏らしてくれるなら、きっと私は感激して泣いてしまう。
 彼は私の足が、彼の後ろをずっと付いていくことを許してくれるだろうか。何処に行くにも、いつでも、彼の後ろを、お気に入りのブーツを穿いた二本の足で。
 毎晩丁寧に、足の指の隙間まで、シャワーで洗ってくれるだろうか。そうだったら、きっとくすぐったくなんてないけれど、私は心がキュンとなって、体のあちこちが細かく疼いて、幸せな気分になるだろうな。

 それとも、やっぱり彼は男の子だから、中心の体がいいのだろうか。胸とか下の方があれば、彼は困らないものね。でもそれは寂しいな。
 彼の気がすむまで抱かれるのは別に構わないけれど。でも私は胸が小さいのよね。これって結構致命的かも。いやいや、でも彼はこの小さい胸を可愛いと言ってくれた。覚えてるよね? だから、うん、大丈夫かも。でも、やっぱりそれは寂しいかも。

 やっぱり、この頭をプレゼントしようかな。頭なら目が付いているから、彼の顔を見ることが出来るし、耳が付いているから彼の声を聞くことも出来る。鼻がついているから彼の匂いを感じることが出来るし、口があるから彼と会話することも出来る。
 これは、彼もきっと退屈しないだろう。私も彼といろんなことができるから、やっぱり頭がいいかもしれない。
 いやいや、会話しなくても、口があれば男の子は喜ぶでしょ。

 とか、そういうことを、私はかみそりを見ながら考える。
 けれどかみそりで人体切断なんて出来ないのに気付いて、すぐに馬鹿な考えだったと思い、お風呂から上がる。
 牛乳を一気に飲み込み、大きな溜息をついて、私はすぐに彼に電話する。今日も楽しい一日でしたって、報告。
 彼は笑って聞いてくれるけれど、さっきまでお風呂で考えていることをそのまま話したら、きっと引かれるんだろうなぁ。
 だから、口チャック。
[記事No.434268]おやすみなさい。

みなみ
ID:[megalomania0]
PC
投稿日時:12/19 23:32

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記事No.326462への返信
 君の寝顔を見てから、僕の一日は終わる。
 柔らかな髪の毛を乱れさせて、本当に、心から安心しきったその緩やかな表情で眠る君。細く白い手を小さく握り、体を丸めて、布団で眠る君の姿を見るたびに、僕は本当に日々の生を実感できる。そう、君のその姿を見ているだけで。
 心が、軽くなる。色んな悩みも、色んなわずらわしさも、この瞬間に全て吹き飛んでしまう。どんなに重い足枷があっても、どんなに分厚い布で口をふさがれていたとしても、全てが軽くなって、細かい砂になってそよ風に吹かれて消えていってしまう。
 君は、本当にすごい人だ。その安らかな寝顔だけで、僕をこんなに幸せにしてしまう。誰にも出来ない、君にしか出来ないすごいこと。感心する。そして、愛おしく感じる。
 そっと、顔に掛かった髪の毛をよけてみる。極力君の肌に触れないようにするのは、僕が触れただけで、君のこの寝顔が崩れてしまうんじゃないかって、思ってしまったから。
 そっと、優しく。そっと、静かに。髪の毛をよけて、その流れのまま君の頭を撫でてみる。柔らかい。お風呂上り、ちゃんと乾かさなかったのか、わずかにしっとりとしている。
 僕の髪とは全然違う、細く、柔らかく、艶やかで、張りがあって、弾力のある髪の毛。撫でている手を止めて、じっと手の表面でその感触を受ける。受け止める。
 君の小さな寝息に、心臓が跳ね上がる。起こしちゃいけない。でも、もっとこうしていたい。
 僕の中に起きた葛藤は暫く消えなかったけれど、微かに動いた君の唇によって、ゆっくりと熱を下げていく。
 おやすみなさい。僕にこんな素敵な気持ちを教えてくれてありがとう。
 おやすみなさい。出来ることなら、君にもこんな気持ちを味わって欲しいから。
 今は、おやすみなさい。明日、何かしようと思うから。君のために、何かしたいと思うから。早く明日になるように、今は……おやすみなさい。
[記事No.434047]Re:短編小説


ID:[next1]
W62S
投稿日時:12/17 20:39

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記事No.326462への返信

 ぴくり。
 男が反応したのは、どこからか聞こえる泣き声。
 その声は次第に近くなり、そして真後ろから聞こえるようになってきた。
 男は振り向かなかった。

「ごめんなさい、ごめんなさい…」

 少女の声は謝罪を続ける。
 しばらくすると男は振り向いて、困ったように微笑む。
 そして腕をひろげた。

「もう怒ってないから、おいで」

 少女は涙と鼻水でぐずぐずになった顔を男の胸に埋めた。

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