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森のフォーラム

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Re:短編小説

[ID:ayu1126]

「子どもの成長って、あっという間よね、」

隣に立っている女性は、鈴を転がしたような声で、僕に語りかける。
彼女の視線の先には、大学生くらいの青年と、五歳くらいの女の子がボールで遊んでいる。
青年がボールを軽く放り投げると、女の子は楽しそうにボールを追いかける。
まるで飼い主によくなついた忠犬のように、ボールを抱えて青年のもとへと駆けるのだ。

「上の子はもう働いてるの。夫の跡を継いでね、家業をやっているの。下の子の面倒もよく見てくれてね、いい子なのよ。」

隣の女性は、二人を愛しそうに見つめ、視線をそらさずに僕に言った。
語り口調から、この女性がどれだけ我が子を愛しているかがよくわかる。

「あっという間なの、本当にね。ついこの間まで歩くことも出来なかったのに、一人で立てるように、走れるようになって…早いものだわ。あの子達は日に日に大きくなっているのに、私は…。」

言いかけて、女性は口をつぐんでしまった。
口を開くこともなく、ただ我が子を見ている。
ただそうやって時を過ごしていると、青年は女の子の手を引いて、公園から出ていってしまった。
その後ろ姿を寂しそうに眺め、女性ははじめて僕の方を見た。

「死って残酷よね。あの子達に触れることも出来ないんだもの。」

体が半分透けている彼女は、寂しそうに笑いながら僕を見つめる。
なんと返していいかわからない僕は、情けないことに頷くしかなかった。

「ありがとう、話を聞いてくれて。」
「…いえ。」
「……私も、もう行かなければいけないわ。」

いい加減に成仏しなきゃ、と言う彼女は、目に一杯の涙を湛えていた。
それじゃあね、とだけ言葉を残し、女性は空間に溶けるように姿を消した。
女性が立っていた空間をしばらく見つめ、伸びをして立ち上がる。
女性とよく似て、綺麗な顔をしていた兄妹を思い出しながら、嫁と子どもに何か買っていってやろうか、と考えていた。



−−−−−−−−−−−−
兄妹は本館サイトの子です。
なんか纏まらなかった感が否めない…
精進しなくては…

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