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森のフォーラム

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Re:短編小説
火星人
[ID:gintama9524]
【性分】

すぅ、と指差されたさきは自分だった。そいつは一言こう呟く…

「お前の、性だ」

もうずっと外には出ていなかった筈だ。暗い外見や部屋には反した地毛の明るい茶っ毛は学校で見ていたそれよりはストレスで少し荒れているように見えた。

「お前の性だ」

また一言、一言は二言へ、二言は三言四言と増えていく。

「お前の性だお前の性だお前の性だお前の性だお前の性だお前の性だ」

言い切れない現しきれない憎悪、嫌悪、憎しみ、怨み妬み悲しみを一言の塊に凝縮して俺へとぶつけてきた。
理由はわかっている。
俺がこいつに責められる理由なんて1つしかない、

「お前が殺した…!」

「…」

「お前がもっとちゃんと話を聞いてやっていればあいつは死ななかった…」

「……それで?」

「死ぬべきなのはお前だ…!!死ねッ!死ねッ!!
死ねぇぇぇっ!!」

俺はある学校のカウンセラーだ。そこでこの生徒にある女子生徒の相談にのってくれと頼まれた。
そして彼女は死んだ。
俺は彼女に二択を出しはしたものの、死ねとは一言も言っていない。
これは彼女の、彼への選択の果てだ。

「お前はあいつが何を思って飛んだかわかるか」

「お前への憎悪だ!嫌悪だ!!俺はあいつの仇をとってやる…!お前に復讐してやる!!」

「……
お前がなんにも取り柄がねぇのは自分の性だとよ」

生前、彼女は俺に言った。

「『私がずっと側にいたから駄目になってしまったんです
きっと私は毒なんです』ってな
言ってたんだよ」

「何わけのわからねぇこと言ってんだ!」

「今日ここに来たのはそれを伝えに来るためだ
あいつに依存したお前にあいつが何に悩んでいたのか、それを教えるためだ」

私はいない方がいいんです、寂しげに笑う彼女にとりあえず落ち着け、変なことは考えるなと言った俺だが最終的に、彼女に渡した選択肢は
『彼のもとにいてやってだめにする』
『彼のもとを離れ寂しさに打ち勝つ』
…だったはずだ。
それを3つ目の選択肢を生み出して勝手に遂行してしまったのは彼女だった。
『本当に助けてしまうことがないよう、この世から自分を消す』
選んではならない最悪の、あってはならない3つ目の選択肢。

「結局お前の幼馴染み殺したのはお前のその甘さだ」

「え……、ぇ?
何言って!あいつは俺には関係無いって!」

「人間はそういうもんだろ?」

隠すのが人間、それが精一杯の優しさ。

END

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