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Re:短編小説
卍
[ID:ayu1126]
またか、と思った
久々に届いたメールの文面は、確かに自分を呼び出す内容のものだった
送り主の性分は十二分に知っているので、待たせないようにと急いだ
場所は奴の部屋
ベッドタウンにはごろごろある、普遍的なアパートの一室
渡されていた合鍵でドアを開けると、奴の大きな靴の隣にもうひとつ、あきらかに女物と思われる高いヒールの靴が
奴の浮気癖にはほとほとあきれ果てている
最初のころは泣きもしたし、醜い嫉妬もたくさんした
自分が泣きながら奴を責める度に、奴は真剣な顔をして「もう浮気なんてしない、君だけを愛するよ」なんてほざいた
一ヶ月もすれば、また別の浮気相手を作るくせに
実際、もう奴に対して愛情なんか抱いていない
かといって、憎悪や嫉妬があるかといえば、そうでもないのだ
何もない
強いてあげるならば、無関心がある、といったところだろうか
久々にメールしてきたから、会ってやろうかと思っていたが、とんだ時間の無駄だった
いい加減交通費もばかにならないし、自分もそろそろ限界を感じ始めている
面倒だが、言ってやらねばならないだろう
無造作に靴を脱ぎ捨てて部屋に上がり、迷わず寝室のドアを開く
予想通りの光景だ
浮気相手の女は何やらわめき散らし、奴は必死に弁解しようとしている
違うんだ、浮気をするつもりじゃなかった
それもう聞きあきた
ちょっと黙って話聞けよ
「なぁ、ぶっちゃけっとさ、めんどくさいんだよね。交通費結構かかるし。だから今度から呼び出されても行かないことにしたから。あ、それと、俺彼氏できたんだー。幼馴染みでさめちゃくちゃいいヤツなんだよね。ついてきてくれてるから、会わせてやろうか?」
奴は言われたことをすぐには理解できず、呆然としていたが、我に返った途端にすがりついてきた
捨てないで、俺が悪かった、もう浮気なんてしない
だから、聞きあきたっつってんだろうが
ちょっとしつこいから、お仕置きしてやろう
「つーか俺、お前と恋仲じゃなかったじゃん。捨てないでもなにも、最初からただの他人だろ?」
奴の顔が蒼白になり、心が絶望に満たされていっただろうことを感じた
自分と同じように勝手に部屋に上がり込んできた恋人に手を引かれ、奴に手を振って部屋をあとにした
そのとき恋人の吐いた言葉は、奴の顔色をさらに悪化させた
まぁ、自分にとってはとっては、愉快で仕方なかったんだけど
「ざまあねぇな」
ーーーーーーー
奴は恋人の気を引きたくて浮気したのに、恋人は逆に冷めて幼馴染みくんと幸せになりました
奴の本心を知ってた幼馴染みくんは「いい気味www」ってかんじ
びぃえる的表現すいません
男女間だともっとでろでろしそうだったので怖くて書けなかったよ…!
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