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Re:短編小説
白音
[ID:jmtxkgakm]
完成するために徹夜もし、色々考えたりして、何時間費やしただろう、最初からやり直したのは数しれず、それでも、結局は未完成のまま。
「これじゃあ、間に合わない」
こんな事なら、数日前から練習していれば良かった。頭の中で二三日で上手く出来るだろうと高を括っていたのが、間違いだった。
所々、大きな穴が空いている真っ白なマフラー、これでは、あげる事など到底できない。
折角、渡すのと同時に気持ちを伝えようと決心までしていた、あの時のあの気持ちに、申し訳ない気がする。
「ごめん、やっぱり今日は、会えない」
『なんでだ』
「と、とにかく会えないから、また違う日に」
『今、家の前にいるんだけど』「え、嘘」
急いで、ガラリと窓を開けて見れば、見慣れた家の外には、寒空の下、肩を震わせながらいつも見せてくれる大好きな笑顔が見えた。
『上がってもいいか』
「う、うん」
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